2011年12月12日月曜日

IE批判をぶった斬る

miyahan.com IEを窓から投げ捨てろ
http://miyahan.com/me/report/computer/041125_noIE/index.html

■ IEを窓から投げ捨てろ! ■

● 問題点1:正しいウェブサイトが見られない

さきほど話したようにIEは最新のHTMLや、CSSに十分対応しておらず、多くのバグを抱えています。多くのウェブデザイナーが頭を抱えています。

● 問題点2:機能が貧弱

タブブラウジングもできない、RSSなんて当然見られない。さらにはもはや標準的になった画像フォーマット:PNGの透明度さえサポートしていない。

● 問題点3:ずさんなセキュリティ

そしてこれがメインです。IEのセキュリティの甘さは開いた口がふさがりません。コンピューターウイルスのよき玄関として、情報流出のよき出口として、、、。

IEはある意味高性能かもしれません。国土安全保障省などのセキュリティ対策の主要組織では現在、IEの使用中止を推奨しています。

 

問題点1:正しいWebサイトが見られない

HTML5はともかく、それ以外の理由で基本的にIEで見ることができないサイトには何らかの問題が含まれていることが多いです。

Chrome/FirefoxにもIEレンダリングエンジンアドオンがあるようにIEでしか見ることができないサイトのほうが多いような気がします。

 

問題点2:機能が貧弱

IEとはそもそもなんなのでしょうか?

ウェブブラウザーとしての認識しかない人間にとっては確かに機能はかなり貧弱でしょうね。

しかし、それはあくまでもエンドユーザーとしての視点でしか有りません。

後で説明しますがIEはWindowsというOSのシステムに統合されたコンポーネントとしても利用でき、

ブラウザーだけとして存在しているChromeやFireFoxなどのブラウザとは一線を画しています。

 

問題点3:杜撰なセキュリティー

このサイトが上げているのはこんなもんですか

 

IEの脆弱性悪用コードが公開に--ダウンロード警告を迂回
IEのIFrame欠陥悪用の「広告」が出現--広告配信企業のサーバが改ざんされる
IEに新たに3つの脆弱性--2カ月間で19件に
IEのIFrame欠陥を悪用する2番目のMyDoomが出現
IEの欠陥を突く新型MyDoomが登場--不審なメール添付プログラムに要注意
IEの欠陥をつくエクスプロイトコードが登場--深刻度は最高レベルに
IEに欠陥--Windows XP SP2適用後も悪質プログラムに感染
IEでまた別の欠陥--アドウェアがインストールされる問題は未解決
Internet Explorerに新たなバグ--フィッシング詐欺被害の可能性も
IEに「極めて重大」な欠陥--勝手にアドウェアが組み込まれる危険あり
IEの最新パッチ--「問題は直っていない」と一部ユーザーから報告
IEのセキュリティパッチで、一部のアプリが無効に
IEにまた新たな欠陥--悪質なファイルをダウンロードのおそれ
パッチに欠陥--IE用のオープンソース非公式パッチ、訂正版を再配布
IEに新たなバグ -- 偽サイトが本物に見える恐れあり
Internet Explorerにオンライン詐欺を助長する新たな欠陥
スパイウェアで情報漏洩の危機
Internet Explorer 6に新たな脆弱性--修正用パッチは未発表
セキュリティ専門家:「IEには穴がいっぱい」
IEの欠陥を突くトロイの木馬「QHosts」
未修正のIE脆弱性が野放しに:セキュリティ専門家が警告
IEの欠陥を悪用する新ワーム「Swen」が流行中
マイクロソフト、今度はIE上の重大な欠陥を警告
IEブラウザに新たな欠陥:米マイクロソフトは「調査中」

 

というか関係のない項目多いですね。必死に集めてこのようなものですか。

まず、MSの定期的なパッチのリリースは、MSがユーザのセキュリティーを割りと真面目に考えているからだろうと思います。

ブラウザのセキュリティーは直ブラウザの評価につながってしまうような重要なファクターです。

そのへんを商業展開しているMSが蔑ろにしているわけがありません。

というか、SafariなどApple系のソフトに脆弱性がどうこうなんて言われたくないですね。

シェアが多いとそのぶん攻撃の対象になりやすいものです。

 

米Apple社が「最も脆弱性報告の多い企業」に ≪ WIRED.jp Archives
http://wired.jp/wv/2010/07/23/%E7%B1%B3apple%E7%A4%BE%E3%81%8C%E3%80%8C%E6%9C%80%E3%82%82%E8%84%86%E5%BC%B1%E6%80%A7%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%81%AE%E5%A4%9A%E3%81%84%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%80%8D%E3%81%AB/

デンマークのセキュリティ企業Secunia社が発表したセキュリティ報告書で、米Apple社が米Oracle社を抜いて、世界で最もソフトウェアの脆弱性報告が多い企業となった。

Secunia社によれば、2010年上半期に報告された脆弱性の数は、Apple社が他のどのベンダーよりも多かったという。米Microsoft社は以前と同じく3位だった。

Secunia社は、セキュリティの脆弱性を追跡・勧告する活動を2002年から行なっており、ソフトウェアの状況を報告書として定期的にまとめている。

 

シェアがMSの足元にも及ばないAppleが脆弱性の多い企業になったのは失笑モノですし、しかしある意味自然の摂理ってものですね。

人間工学無視のデザイン優先の使いにくいカッコの悪いUI・キーボード周りを見ていてもよくわかります。

 

>多くのウェブデザイナーが頭を抱えています。

ウェブデザインを行う上でIEへの対応が割りと大きな問題になっていることは、私も実際に体験していますし、理解できます。

実際にこのWeblogはhtml5で記述されていますが、IEはhtml5に対応していないので、特殊な方法で無理やり対応させている形になっています。

IEが簡単にhtml5などの新しい技術を取り入れられないのにはそれなりの理由があるのです。

 

IEをWEBブラウザーとしての機能でしか見られない方にはあまりなじみがないでしょうが、みなさんの身の回りにもIEがシステムに融合された形で提供されていることがあります。

 

Donut RAPT

Donut L
Donut Q
Sleipnir

Grani

Woopie Browser

 

などのソフトの名前を聞いたことありますか?これらはIEコンポーネントというものを利用したブラウザです。
他にも例えばソフトウェアのヘルプ。あれもIEが部品として使われています。

 

IEはブラウザとしてだけでなく、システムに統合されており中級者以上は知識があれば、誰でもその強力な機能を利用することができます。

これはChromeやFireFoxには無い素晴らしい特徴ですが、このことがIEの技術革新の遅れの原因になっているのです。

 

プログラミングの世界では過去の遺産をどのように活用するかということが非常に大きな問題になってきます。

IEコンポーネントはWindowsがインストールされているPCならば様々な場面で利用でき、プログラミングを行う側からしても一からレンダリングエンジンなどを自作する必要がなく、

IEコンポーネントは様々な企業の管理ソフトウェアを始め様々なところで利用されているのです。

 

故にどうしてもブラウザの機能革新という点ではIEは保守的になりがちであるのです。

機能を追加したり、仕様を変更することで既在のIEコンポーネントを利用したソフトがうまく動作しなくなると、それに対応するために企業側もまたプログラムを組み直したりなどの負担がかかります。

IEがどうしても機能が貧弱になりがちなのは、裏をかえせば社会の至る所でIEがコンポーネント(部品)として利用されていて、その依存度が高いということを示してもいるのです。

 

と、ここまでさんざんIEを弁護していましたが、当の私はIEはほとんど利用していません。

ブラウジングは主にchromeを利用させてもらっています。しかし、それでもIEが劣ったブラウザだとは思っていません。

IEコンポーネントを利用したソフトウェアを開発させてもらっていますし、その際もIEコンポーネントの強力さを実感させられました。

 

私の経験則上、PC初心者から中級者あたりになりかけているときにIE批判をする人が多いような気がします。

上に上げたような、IEをブラウザとしてだけしか見られていないような批判は、自分の無知を晒しているものと同じものだと、いつか気づくことが出来ればいいですね。

IEの本質はブラウザだけではなく、システムに統合されたコンポーネントとして利用できるという点にあることを知らないわけですから。

 





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