そして、現在日本でアルコール度数1%以上の造酒が禁じられているというのも、みなさんよくご存知のことだと思います。
これは、過去に酒税が日本の主要な税収減であったことが、おそらく大きな影響を及ぼしているからなのでしょうが、知識欲的に、この民間造酒に関して興味が湧いてきたので調べてみることにしました。
当然、現在日本で1%のアルコールを製造することは売る売らないを問わず犯罪になるのでそのへんをよくご理解していただいた上でこの記事をお読みになってください
まず、どぶろくとは一体何なのか、ここからおはなしを始めましょう。いつものようにWikiからの引用です。
この酒は米を使った酒類では最も素朴な形態の物と言われ、一般の酒店でも購入可能な濁り酒に近い。これを沈殿濾過する事で清酒を作る事も可能だが、清酒になる程には漉さずに飲用する。清酒に比べ濾過が不十分であるため、未発酵の米に含まれる澱粉や、澱粉が分解した糖により、ほんのり甘い風味であるが、アルコール度は清酒と同程度の14~17度にもなるため、口当たりのよさがあだとなってつい飲み過ごして悪酔いしやすい。
wikipedia
うむ~。文章だけでは少々分かりづらい気もするので、実際にどのようなものかを動画で見ることにしましょう。
上の動画のように、炭酸飲料のように激しく発砲するのが特徴です。しかもその原理は炭酸飲料のそれと全く同じです。その泡の正体は酵母によって生成された二酸化炭素だからです。
どぶろくに限らず、日本のお酒というものは、外国のそれとは少々お酒になるまでのプロセスが違います。
海外の例としてワインをあげることにします。ワインの原材料は当然ぶどうです。甘いです。
またもうひとつの例としてビールを上げましょう。麦芽はそれほど甘くありません。しかし、ビールの製造工程では、まず原材料の麦芽をアミラーゼという私たちの唾液にも含まれているのと同じ名前(作用は一緒)の酵素を反応させて生成された液体を発酵させて作ります。当然、酵素によって糖化されたその液体は非常に甘いです。
しかしながら、日本酒はどうでしょうか。日本酒の原材料の米は甘いですか?お米にも味があって、当然噛んでいれば甘さが感じられる!そういった声も聞こえてきそうですが、単純に比較の話で、米は当然ながらぶどうジュースや、アミラーゼを反応させた麦芽に比べると甘さが劣ります。
日本のお酒は、実は原材料の米の糖化と発酵が同時に進行する、世界でも珍しいお酒の生成プロセスを経るお酒なのです。
日本酒の生成プロセスを単純に表記してしまうと以下のようになります。
米 → 糖 → アルコール
米を糖にするには、日本酒では麹菌を使います。麹の生成する酵素が米のデンプン質を糖に分解するのです。
そして糖をアルコールに変えるのが、酵母菌の働きなのです。
つまり、生成中の日本酒の中には、この酵母菌と麹菌が共存しているということになります。
まあ、ここまで日本酒の生成プロセスを実に単純化してお話ししました。
では、古来日本で行われていた闇酒、つまりどぶろくはどのように作るのでしょうか。
ネットで色々検索しているうちに非常に興味深いページをいくつも見つけることが出来ましたのでそれをもとにお話ししていきたいと思います。
どぶろくを作るのに必要なものは、
まずは必須アイテムとして、米、麹、酵母(パンを作るときにつかうドライイーストでも構いません)、どぶろくを醸すための容器(梅酒をつけるためのあの大きな容器が便利だそうです。)
これらの材料が何故必要なのかが先ほどお話ししたとおりです。
理論的に言えばたしかにこの材料だけでできてしまいそうな気もしますが、それに加えておいたほうが良いものが結構あります。
それは砂糖です。
話がそれますが、先進国の中でも未だに個人で造酒することが禁じられている国は日本だけです。違法であるがゆえに日本語の資料は非常に少なく、情報交換の掲示板も非常に少ないのです。
海外では、例えばミードという薄めた蜂蜜に酵母をいれておいておいただけの非常に簡単にできてしまうお酒専門の掲示板があったりします。そこで様々な情報のやりとりが行われていて、レシピのやりとりなど中々見ていて飽きないものでした。実はこのミードというお酒は、北欧の国では新婚の女性が漬けることで知られていて、ミードがうまく作れる女性はいい嫁さんになるなんておはなしもあるそうな。
話がだいぶんそれてしまいましたが、日本では先ほど申したように造酒は違法ですから、それゆえに掲示板も少ないのです。
その数少ない掲示板が某所にあったりするのですが、
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/sake/1294892994/
そこの住民いわく、どぶろくに砂糖を加えるのは邪道だそうです。
しかしながら、お米をどぶろくに変えてくれるイーストや麹は活発に活動できるようになるのに結構な時間がかかります。生き物ですからいれた瞬間にすぐに活発になるというわけにはいかないのです。
そして、私たちの身の回りには至る所に雑菌・カビがうようよいます。彼らにとって、どぶろくの原材料になる温かいご飯や、糖分は絶好の繁殖地帯です。
それを防ぐために、ヨーグルトを加えたりするらしいのですが、ヨーグルトを加えてしまうと、完成したどぶろくはお酒というよりも乳酸飲料の感じがしてしまうそうです。
なので最初に砂糖を入れてしまえばいいのです。
では大まかなプロトコルを書くことにします。
1.ご飯を固めに炊く。
2.梅酒の瓶をよく洗い、殺菌する。
3.瓶に炊いたご飯を入れる。
4.瓶に水を入れる。水の量はご飯が浸るぐらいであるが、炊きたてで熱々のままいれたご飯と水をよくかき混ぜて、50度未満20度以上あたりになるように調節する。
5.そこに砂糖、麹、酵母を加えてよく混ぜる(どぶろくなので目分量です、ただ麹・酵母だけは少ないと雑菌に負けて腐らせてしまうかもしれないので最初は多めに入れたほうがいいでしょう。目安は米3合に麹500g酵母6g)
6.あとは栓をしてひたすら放置
え?もう終わり?
そうです、もう終わりです。
あとはどこか適当な場所に放置して、しばらく待つだけです。適当に1日おきにお玉かなんかでかき混ぜてやってください。
お酒は生き物なので日に日に変化していきます。最初は米が水を吸って膨らみます。しばらくすると、下の方に白い液体が、上の方に米粒が浮いている状態になります。
発酵が活発な頃は、瓶に耳を当ててやるとシュワシュワと音がなるそうです。
のみごろは自分で判断してください。毎日1回ぐらいはかき混ぜてやって、その時に味見でもしたらいかがでしょうか。
ただ、どぶろくはナマモノですので、飲み頃を過ぎると急速に劣化していきます。具体的に言うと酸っぱくなるそうです。
長期保存の手段として火入れという方法があるのですがこれはまた後日お話しすることにしましょう。
ちなみに、最初にヨーグルトを入れる方法もあることをご紹介しましたが、これはヨーグルトに含まれる乳酸菌が生成する乳酸が雑菌の増殖を防ぐ働きがあるからです。
この乳酸が雑菌の増殖を防ぐことに注目して、その乳酸だけを最初の頃に原材料に追加して雑菌の増殖を防ぐという手法で日本のある酒造メーカが特許を取得したくらいです。
どぶろくは生き物で作られています。意外に盲点なのは、納豆菌です。
どぶろくを創りだしてくれる菌たちは納豆菌には非常に弱いので、納豆を食べたあとしばらくはどぶろくづくりはやめておいたほうがいいです。あと雑菌には本当に気をつけてください。
基本的に発酵と腐敗は紙一重の部分が多いので、飲むときには五感全部を使って安全かどうか確かめてください。
お酒の臭いがしなくて臭い匂いがしたり、舌がしびれたりするものは危険です。
日本では違法であるのにも関わらず、結構な情報がweb上に溢れています。
google検索結果
違法なので健康面でもなんにおいても自己責任ですよ。
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